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賣茶翁のみちのく煎餅 ── 大人になって、やっとわかった味

 

賣茶翁へ行ってきました。

 

小さいころ、祖母の家でみちのく煎餅を初めて食べたとき、

「あれ、湿気ってる?」と思ってしまいました。

サクッとしているのに、ふわっとほどけるような不思議な食感。

子どもの私には理解できなくて、

大人たちが「上品でおいしい」と言っているのが、

ちょっと不思議でした。

 

「湿気っている」なんて言ってしまったら

もう2度と食べさせてもらえなくなるので、

いとことこっそり「これ湿気ってるね」と

言いながら食べたのを覚えています。

 

それから何年も経って、

気づけば自分もすっかりみちのく煎餅のおいしさが

わかる年齢になっていました(笑)。

波照間島の黒糖と和三盆のやさしい甘み、

口の中でしゅわっと溶けていくあの繊細さ。

あのころ「湿気ってる」と感じたのは、

丁寧に作られた麩焼き煎餅ならではの食感だったのですね。

先日、退職されるダンディーな先輩へのプレゼントに、

みちのく煎餅を選びました。お茶を習っているダンディーオヤジ。

喜んでもらえるかな、と思っていたら、

なんとウイスキーに合わせて召し上がっていたとのこと!

……絶対合う!!!

なぜ今まで気づかなかったんだろう。

たくさん食べてきたのに、

と自分にちょっとがっかりしてしまいました(笑)。

仙台の春日町にひっそりと佇む、

創業明治12年の老舗・賣茶翁。

予約も通販もなく、

行かなければ手に入らないお菓子。

そんなところも含めて、

やっぱり大好きな場所です。