北の丸公園は、ちょうど紅葉の見頃。

木々が赤や黄色に色づき、歩くたびに落ち葉が足元に舞い降ります。

ふと見上げると、柔らかな日差しに葉の色が透けて、まるで絵画のような世界。

公園の中を歩いていると、修学旅行生たちがわいわいと集合写真を撮っていて、
思わず微笑んでしまいました。
きっと、数年後に見返して「あのときの紅葉、きれいだったな」と
懐かしく思う — そんな、やわらかくあたたかい一瞬。
都会のど真ん中とは思えないほど静かで、
でもどこか優しく包んでくれるような空気。

紅葉の中を歩くたび、日常の慌ただしさからすっと離れて、
自然と心が和らぎました。
この場所、実はただの緑地ではありません。
かつては江戸城の「北の丸」と呼ばれた場所で、
武家の屋敷地として使われていた歴史ある土地。
江戸時代には、将軍家に近い身分の人たちの屋敷があったエリア。

明治以降は、旧陸軍(近衛兵)――軍の施設として使われていたこと。
そして、戦後。多くの建物が取り壊され、都市の“緑のオアシス”として再整備。
1969年(昭和44年)、昭和天皇の還暦を記念して一般公開されたのが北の丸公園です。
つまり、北の丸公園は「歴史」と「自然」が静かに折り重なっている場所。
門や石垣など江戸の名残もあれば、戦後につくられた芝生や池、
そしてたくさんの木々が育つ“都会の森”。
今ここで紅葉を見ている――その一歩ひと歩きが、
昔の武家たちの足音や、戦後の人々の暮らし、
そして今の私たちの時間につながっているような、
そんな静かな実感がありました。
